福岡高等裁判所宮崎支部 昭和24年(う)502号 判決
記録によると、起訴状記載の罰条は煙草専売法第三四条第一項、第五七条第二項であるのに、原判決はこれを変更し、たばこ専売法第六六条第一項、第七一条第一号等を適用して処断していること及び原審公判手続で右罰条の変更について法定の手続を履践した形跡が見当らないことは所論のとおりであつて、この点において原審の訴訟手続に違法があることは論をまたないのであるが、旧煙草専売法は昭和二四年法律第一一一号によつて改正せられ、右改正によるたばこ専売法は同年六月一日から施行せられ、これによつて本件葉煙草の不法所持に対する罰則も起訴状記載のものが原判決適用のように変更せられたのであるから、昭和二四年九月二五日になされた本件犯罪に対しては改正後のたばこ専売法の罰条を適用すべきは当然であつて、起訴状の罰条は誤記であることが明らかであるばかりではなく、両者は同一違反行為に対する罰条であることには変りはないのであるから、法定の変更手続によらずに直ちに判決において誤つた起訴状記載の罰条を正しい罰条に変更して適用しても、被告人の防禦に何等不利益を生ぜしめるものではなく、結局右の違法は判決に影響を及ぼすものとは認め難いから、破棄の事由とするに足りない。論旨は理由がない。
(註。本件は量刑不当により破棄自判)